送りアリ組とは
箪笥や食器棚などの本体では、板と板がT型に組み合わさってる箇所が多いのですが、その接合技法は数多く有ります。
凸と凹を組み合わせる大入やホゾ組などが代表格です。合板製の場合は簡単なダボ組が多い様です。
ダボ組は論外としてホゾ組などはそれなりに強い組み方ではありますが、組み立ての差し込み方向と抜ける方向が同じ方向なので緩んだり、抜けるたりする可能性があります。(余談ですが、クギとネジの抜け方の違いと同じです。クギは同じ方向の為、抜けやすいですが、ネジは回して入り直交していますので抜けません)
一方、送りアリ組みは接合部分が台形になっていて手前より先が広がっています。その為、凸と凹を組み合わせる様に簡単ではありません。送りアリ組みは横方向にスライドさせる様にして打ち込みます。打ち込む方向と抜ける方向が直交していて一度組み立てたら抜く事は不可能な位堅固です。こうして組みあがった製品は年月が経っても本体のグラグラが全くなく、よって抽斗や扉の開け閉めの不具合などが生じません。送りアリで組んだ製品は永年快適にご使用頂けます。
良い事ずくめの送りアリ組ですが、加工に手間がかかり過ぎるのが欠点でした。
木工房ひのかわでは特殊なジグを考案してその点をクリヤーしました。
小さな小物入れから大きなタンス等殆どすべて送りアリ組みで頑丈に組上げています。