木製の車作り 1
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「公道を走れる木製の車作り」 なんじゃ それ?
話は店舗の前の国道3号線が未だ舗装されていなかった昭和30年時代に遡ります。
当時、国道はガタガタ道でオート三輪やトラック、たまにタクシーが走っていました。
そして、少年時代の私にとって車は憧れの的でした。
何しろ当時の私の将来の夢はタクシーの運転手になる事でしたから。
車の運転は格好いいな~。
車が欲しいな~。
木で車を作りたいな~。
木工所の親父の元でおもちゃのライフル銃や木製の船等は作れても、人が乗って運転できる車を作る事なんて笑い話にもならない夢物語でした。
そんな 車大好き、工作大好きの少年の願いが半世紀を経て、今実現しようとしています。
2008年、富山県の光岡自動車が限定220台のマイクロカーの組み立てキットを発売するとのニュースが目に飛び込みました。
キットなのでシャーシーは金属だけど外装は木製に変更可能との事なのでオリジナルの車が作れるぞと血が騒ぐ。
早速ネットで購入しました。
光岡自動車はユニークな車作りで有名な1968年創業の若い自動車メーカーです。
マイクロカー K-4
本体のサイズ 1290×2490×860
重量 181㎏
エンジン 空冷2サイクル50CC
普通免許が必要 60㎞で公道走行可能
一人乗り 車検無し
しかし、当時は仕事で手一杯の毎日。
時間的に余裕は無く、配達されてきた大きな4個のダンボールはそのまま倉庫へ直行。
そろそろ取り掛からなきゃな~と思いながらずるずると早16年が過ぎ去りました。 正に「光陰矢のごとし」。
最近、仕事の方は三代目に任せる事ができる様になって肩の荷が軽くなる一方、足腰は弱ってきており、早く取り掛からないと宝の持ち腐れになるかもという不安と焦りが。
そんな訳で「少年時代からの夢」の木製の車作りがいよいよスタートします。
が、果たしてそんな木製の車を作る事が出来るのでしょうか?
先ずは作業場所を決めなくてはという事で検討開始。
道具や機械が揃っている木工房の中が一番良いのですが本業の邪魔になるため、これは無理。
結果、店舗前の駐車場は広いのでそこの一角にガレージを設置する事に決定。
ガレージとしては トラックの中古コンテナ、パイプ車庫、農業用のビニールハウス、2×4材で自作 などが候補に上がるも、台風対策、美観、費用、など総合的に判断してパイプ倉庫に決定しました。
ちょっと安っぽいし、台風が来ると簡単に崩壊しそうですが、台風シーズン前には車を完成させてガレージは撤去予定なので、良しとしましょう。