総桐箪笥

修理・再生

作品番号:997

修理前

約30年前、私自身初めて手掛けた総桐箪笥の化粧直しのご依頼をお受け致しました。ワクワクドキドキしながらの30年ぶりの再会でしたが、第一印象は意外と目立った傷も無くて綺麗で驚きました。抽斗の調子も問題無し。金具の傷みも全く無し。桐独特のアクによる変色が少し見られる程で再生の必要は無いのではと思った位です。本体の接合部のスキマなどは全く無くて、送りアリ組の強度が実証されたと意を強くし、時を同じく生まれた三代目を隣にして、暫く満悦した時を過ごしました。再生は通常の手順で 金具取外し、水洗い、削り、砥の粉塗、ロー引きと進めました。外観上劇的な変化は見られませんが丁寧で誠実な仕上げを施していますので、これからも永くご愛用頂けます。

作品番号
997
カテゴリー
材質
総桐
仕上方法
ろう仕上げ
サイズ
1000*1800*450